新橋店オープンまでの過程 その1(バーの物件探し編)

「新橋店オープンまでの過程」という事で今回は物件探しについて書きます。比較すると新宿や上野と比べて新橋の物件探しは苦労しました。理由はいくつかあります。まず第一に新橋は再開発予定の場所がいくつかあるのと古いビルが多いので将来は、たて壊しになる物件が多いというのが1つ目。2つ目は新橋はバーだけでなく居酒屋やその他の色んな業種の方が営業してる人気のエリアなので倍率が高い。3つ目としてLGBTである事が物件探しの障害になる場合があるというのもあります。(新宿2丁目や上野7丁目は、ほぼすべての店がこっち系なので楽)

僕が物件探しをスタートしたのはなんと2019年2月からです。ほぼ2年もかかりました。僕が利用したのは「飲食店.com」というサイトhttps://www.inshokuten.com/でこちらは自分の借りたい希望のエリアや家賃を専用のサイトで入力しておくと定期的にサイトから連絡が入り物件を紹介してくれてとても便利です。

最初に内見した案件は大家さんと不動産の担当が同時に立会いしてくれて雨の日でした。印象的だったのが不動産の人の態度がわりと上からで、内見をさせてあげてやってるんだよみたいな感じでした。大家さんにはへこへこしてるのが印象的でした。どちらかというとこっちが客ではなくて大家さんが客なんじゃないかと思うほど顕著でした。新橋は人気の場所なので内見も沢山の人が来ます。その中から先着順だったり、審査で適してる人を選んだりしてる印象です。

ここから色んな物件に会うのですが最初の物件は「定期借家契約再契約不可」という条件でした。3年間の契約でした。その後はビルを建て壊すので出ていかなきゃいけないという内容でした。しかしながら家賃はわりと安めでした。カウンターの作りも理想的でしたので申し込みを入れました。この物件はすでに申し込んでる方がいて、その方が落ちたら僕にまわってくるという条件でした。こちらはあっけなく最初に申し込んでる人に決まりました、僕もまた3年後にどうせ引っ越すならずっと借りれるとこがいいと思いまた別の物件を探すことにしました。

次に内見で見た物件はとっても古い物件で内装もぼろぼろでした。スナックって感じのこじんまりとした物件でした。物件の担当者から造作譲渡料が200万かかりますと言われました。「その造作ってなんですか?」と僕がたずねたところ、今借りてる人が手掛けた内装代の事でした。当時は初めて造作の話を聞いた僕は、こんな汚いぼろぼろの内装で200万っておかしいと感じました。でもわりと新橋とか銀座エリアは造作代かかるところが多いです。また出ていくときにスケルトン戻しと言って、原状回復のために元のコンクリートのスケルトンに戻してから退去しないといけないという条件も多いです。小さいバーでも100万くらいは最低かかるところが多いです。

いい物件が出たーと思っても、すでに市場に出てるときには申込者が殺到してて審査待ち。または変な条件、定期借家再契約不可。(引っ越しが必要)造作譲渡600万。(居抜きなのに内装代がかかる)一番ひどいのは最初に造作譲渡が100万かかり定期借家再契約不可3年(3年しか借りれない)で出るときは100万円でスケルトン戻しみたいな物件もありました。そんな変な条件でも借り手が出る新橋、あまりにも見つからないので一時期は銀座や西新宿などエリアを広げて探しました。

内見にまわるのは物件を見るのもありますが不動産の人と知り合える機会になります。私の場合、15件ほど内見しましたので新橋、銀座界隈の不動産の人から相当な数の名刺をいただきました。不動産の人とコネクションが出来ると物件探しのサイトにこだわらなくても不動産の人から直接、物件の紹介をもらえることもあります。つまり市場に出回る前に紹介いただけるのです。最終的に僕は何度か内見してるなかで知り合った不動産の方に物件を直接紹介いただいてそこで決めました。でもそこまで辿り着くのが大変でした。

途中、コロナで緊急事態宣言も出たりして物件探しも中断してた時期もありますが、落ち着いたころにまだワクチンも出来てませんが、逆に普段ならなかなか出てこないけどチャンスなのではと思い9月くらいから物件探しの活動を再開しました。

そしてついに新橋でカラオケバーが出来る物件を探して契約できるようになりました。新橋店は2021年1月下旬オープンを目指してます。自分の中では新宿、上野、新橋を3拠点でお店を構えることがずっと目標だったのでとても嬉しいです。

今後は保健所の申請、カラオケ、おしぼりの契約、深夜営業の申請などを順々に進めていきスムーズにオープンできるように動いてまいります。

新橋や銀座エリアで約15件の物件を内見しました。物件探しでこんなに時間がかかったのは自分の中でも初めての経験ですが、エリアの市場や相場が知れた事。また不動産にかかわる造作や定期借家、普通借家、スケルトン戻し、保証会社への申し込みなど色々なことが学べた事。また新橋、銀座エリアの不動産会社の人と複数お会いできることが出来たことを経験出来て、結論いい経験になりました。

一度、内見した案件には変な愛着がわいてしまい何度もその物件の前をうろうろしてしまったり、借りれた時はこんな内装にしようとか色々思いを巡らせた後に審査落っこちるときは失恋したみたいにがっかりした気持ちになってしまいましたが、最終的に探し続ければ必ずいつか見つかると信じて根気強く内見をしてました。 新橋で物件を借りれることになり本当に良かったです。素敵なバーを目指します